日本の一般的な指圧マッサージとの違いは?
タイ古式マッサージは、眠くなるほどゆっくり行なわれます。これには理由があります。それは人間の心脈に合せたリズムで行なうことで本来の改善効果を得るためです。
もうひとつゆっくりな理由として血流コントロールがあります。具体的には、血管をグィと圧迫し血液の循環を一瞬とめてゆっくり自然にもとに戻す。この繰り返しによって血行を良くします。ドロドロとした血流で体調が崩れているカラダが、サラサラとした血流となり体調が改善されるというわけです。
しかも、血流が部分的に滞っていたのではすぐにまたもとのもくあみということで2時間かけてカラダ全身をくまなく行ないます。タイ古式マッサージを受けると、体の血流がなんと3倍ほども早くなり、カラダもふわっと軽くなるのもこのためだといわれます。
対して日本の指圧マッサージは、時間的にも長くて60分。足、腰、肩が基本で、クイックマッサージが売り物となるくらいどちらかというと短時間でできる局部的な施しです。テンポも割と軽快で、やってもらっている時はとても気持ちがいいですが、根本的な改善にはいたりません。
また未経験者には「痛そう」と思われるストレッチですが、整体や接骨院と違い、いわゆるずれた骨を元に戻すという目的ではありません。体調を崩して足腰が重くなる原因のひとつに関節の歪みが起因するために、関節部分に運動と刺激を与える「ヨガ」の考えです。それゆえタイ古式マッサージのストレッチは強制的な運動ではなくゆっくりゆっくり自然に行ないます。
東洋医学って?
タイ古式マッサージは、インドのアユールベーダ、中国のトゥイナーと同一上の概念をもつ東洋医学です。西洋医学との大きな違いは、直接患部を治療するという行為がないことです。また、西洋医学の基本は薬物投薬や手術によって悪い部分を直接治療することですから、専門医という者が存在しますが、東洋医学ではそれもありません。
東洋医学の考え方の基本は3500年前に遡ります。人体は「気」(生命活動を営み、健康を維持する源)、「血」(体内を巡って栄養を与えるもの)、「水」(体調を整える体液・リンパ液)この3つのバランスがうまくとれている時が健康な状態で、バランスが崩れると病気になってあらわれる。という考えです。
東洋医学は以前よく「予防医学」といわれていましたが、最近では単なる「予防」ではなく「改善」「復帰」にも有効であるという考えから、欧米の西洋医学界では代替医療として広く取り入られるようになっています。「マッサージ」の他「漢方薬」や「食事療法」「ヒーリング」「療養環境」などがそれです。ある意味で患者を機械のごとく病室に閉じ込めて薬物投薬と手術をくり返すのではなく、心身両面からケアすることが必要であるという認識でしょう。
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