タイの仏教
世の中には様々な宗教が存在します。中でもタイ王国は、皆さまご存じの通り今となっては世界唯一の仏教国です。といっても、数値上からみた仏教国です。
仏教

約5,180万人

95%

イスラム教

約220万人

4%

キリスト教

約28万人

0.5%

ヒンドゥー教

約4千人

0.01%

タイ国憲法上での表現には「国教は仏教」とはしていません。ただし、タイ国王は仏教徒でなければならないとされています。
憲法第27条により信仰の自由が保障されていて、
憲法第7条において「国王」は宗教の擁護者としています。
実質的には仏教国になりそうですが、タイ南部は地理的にマレー系イスラム教徒であること、経済や教育に大きな役割を残したポルトガルやイギリスのアメリカ、ヒンドゥー教の神王思想をはじめとしたインド文化との大きな関わり合いをみれば、異宗教に対するこれらの姿勢もうなづけます。
ところで、今では冠婚葬祭の時だけに形式的に用いられるといった感もありますが日本も仏教との関わりを持っています。しかしタイの仏教は上座仏教(小乗仏教)で、日本の仏教は大乗仏教。同じ「仏教」でもその思想は違うということです。
●タイ僧院について
さてブッダは、相手の素質などに応じて「教え」を変える対機説法をしたといわれそれには8万4000もの教えがあるともいわれています。古来、仏教では、これらについての教えをまとめ、3つないしは4つの「法印」というものをたてたということです。
ご興味のない方もぜひご一読してみてはいかがでしょう。
仏教の教え「法印」
仏歴について
釈迦入滅の年である西暦紀元前543年を仏暦元年としています。
西暦2008年は、仏暦2551年です。
A.D. Anno Domini, 2008. It is Buddhist calendar 2551.
タイ王国では、公文書、マスコミ、教育などすべてに仏暦が使われ、カレンダーもほとんど仏歴と西暦を二重表示しています。
仏歴に関する祝日
ワン・マーカブーチャー(万仏節)
タイの祝日には仏教に関係するものが多くあります。そのひとつは「ワン・マーカブーチャー」で、日本語では「万仏節」と訳されています。
「ワン・マーカブーチャー」は陰暦3月の満月の日に定められます。ただし、陰暦8月が2回ある年は陰暦4月の満月の日になります。
昔、陰暦3月の満月の日に、お釈迦様の弟子1,250人が説法を聞くためにウェールワン寺院に集まりました。この集まりを「チャートゥロンカサンニバート」と言い、「4つの要素からなる会議」という意味を持っています。その要素とは以下の通りです。
1. 1,250人の弟子が約束もなく一堂に集まったこと。
2. その弟子全員が直接お釈迦様に入道儀式を行ってもらったこと。
3. その弟子全員が阿羅漢という悟りの最も高い境地に達したこと。
4. その日は満月の日であること。

タイでは、この万仏節を祝う習慣はスコータイ時代からあったようです。お釈迦様への敬意を表すため、お寺や道路など町中に灯りをともすことが習慣でしたが、次第に人々に忘れられていきました。ところが、後にラーマ5世は「ワン・マーカブーチャー」はとても大事な日だとお考えになり、この日を祝う習慣を復活されました。
現在では、この日に仏教徒たちは托鉢僧に食事をさし上げたり、お寺に行き教義を聴いたりします。夜になると、お寺に行き、手に蝋燭を持って本堂を3周回り、お釈迦様に敬意を表す儀式が行われます。
タイ仏教の関連サイト
■仏教について幅広く解説された総合サイト(日本)
ブッダワールド
■タイ仏教の歴史と様々な視点で仏教を解説(日本)
タイ仏教
■日常的な視点からタイ仏教を解説(日本)
タイの仏教と宗教概説(ジャアク商会)
■タイの仏教世界を説くサイト(英語・タイ語)
THAILAND BUDDHISM WORLD WIDE WEB
タイの寺院
以前はほとんど見られなかった寺院のサイトも、ここ1年くらいでしょうか、観光地として有名な寺院からローカルな寺院まで多数アップされてきています。デザイナーがデザインしたと思われるセンスを感じさせるサイトから、僧侶がパソコンを前に悪戦苦闘している姿が思い浮かびそうなサイトまで(そういえばパンティッププラザで僧侶を見かけることが多くなったなあ)。これらのサイトは当然タイ語がほとんどですが、中には英語も併用しているところもあります。
バンコク Wat Arun Wat Benchamapobitr
Wat Pho Wat Bowonniwet Vihara
Wat Trimitwitthayaram Wat Hua Kra Baue
Wat Suthat Wat Indhara
Wat Mai Phirew
Wat Nak Prok
Wat Pa Choeng Len
Wat Paknam Phasi Charoen

■アユタヤ
■ノンタブリー
■パトムターニー
もっと詳しく知りたい方は

タイ仏教入門

ブッダ 大いなる旅路〈2〉
篤き信仰の風景 南伝仏教

写真集 タイ 黄金の仏都黄金の仏たち

黄金仏遊行「タイ・バンコク、スコータイ」
秘められたピラミッド「インドネシア・ボロブドゥール」
NHK美の回廊をゆく 東南アジア至宝の旅