タイ民族に伝わる創世神話
バンコクの寺院の境内にある仏塔の頂上には、ヒョウタンをかたどった物がついています。
タイ民族がもつ創世神話では、世界の始まりは大きな緑色のヒョウタンから始まり、ヒョウタンが熟してはじけると、人問が跳び出し四散し、人類の誕生が起こったとされます。(ヒョウタンは多産の象徴とされ手いるようです。)
人類が住むようになった世界は、樹海が続くうっそうとした森林で覆われ、巨木が天を突くような自然のなかであった。森は魔性を帯び、原古の巨樹が神性を有していると理解され、精霊の住む世界であった。森を切り開き、町を作り国を建設するには、巨樹を切り倒し、領土を決め、人問界の秩序を確立しなければならなかった。巨木を切り倒Lた者が王朝の初代王となり、切り倒した一本の巨木は、王国を守る国の礎の柱「ラック・ムアン」として祭祀し、守護霊が宿ると考えた。
いわゆる精霊信仰で、タイ国ではよく町の中心に「ラック・ムアン」と呼ばれる国の基柱があり統合のシンボルとなっています。
バンコクにはエメラルド寺院の東向かいにその祠があり、古い町アユタヤ、スコータイ、ナコーンシータンマラートなどタイのあちこちで「ラック・ムアン」をみることができます。