タイシルクと現代ファッション
織物産業としてタイ王国を代表するタイシルク。タイシルクといえば産業技術に大きく貢献した「ジム・トンプソン」が有名ですね。50年ほど前、トンプソン氏が目にしたタイシルクは、素朴しすぎるゆえ洗練されているとはいいがたいものだったということ。しかし、新たな産業として価値を見い出した氏はタイシルクを研究し、独自の美的センスを取り入れて作品を織らせることになります。
それがファッション雑誌ヴォーグ編集長の目に止まりグラビアを飾ったことで、世界から注目されるようになったとのことです。またタイシルクが衣裳に使われたアメリカのブロードウェイミュージカル“王様と私”で、多くの観客を魅了したことで広く知られるようになりました。
現在売られているタイシルク製品のデザインスタイルはほぼこの「ジムトンプソン」の思想が継承されています。しかし、ここ数年タイのファッションデザイナー達が、さらに新しいスタイルを模索。伝統的なスタイルを継承しながら新らたな世界を切り開こうとしています。
なお、ジム・トンプソンブランドとして2002年中に東京に進出する予定なようです。
■タイシルクを世界に広げたジムトンプソン
Jim Thompson House
タイ織物技術の発展
タイ国の一般的な織物は、地方や民族によって文様や色使いの違いなどに特色がみられますが、北タイでは綿織物、東北タイでは絹織物が盛んなようです。意匠の違いはあってもタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの伝統的な織物技術には、政治的な国の垣根がなく民族の流動によって広がったといわれとても素朴で粗末なものです。
近年王侯貴族が身に着けている織物は、第二次世界大戦後中国や日本から生糸を輸入し土着の粗い生糸と織り上げて民族的な風合いを出したのものといわれています。
以後ジム・トンプソンの力を借りてタイシルクとして商品化されることになりますが、綿や生糸の生産が国内需要を満たせず輸入に頼っていたということ。技術的、生産性向上と大きな発展を見せるのはここ20年とごく近年で、欧米や日本の織物業者が介入してからといえます。
タイシルク自体の歴史はとても浅いのですが、大きく3つのスタイルがあります。
◆タイ織物の種類
Mad Mee
マットミー
伝統を継承し続けるイサーン(東北タイ)の特産品。マットミーとは縛って染めるという意味で、文字どおり綿糸のひもで縛って染めた絞り染めの糸を使って織った布です。図柄は織られている地域や部族で異なりそれぞれ独自の風合いを持ちますが、日本でいう大島紬や結城紬に似た素朴さが特徴です。丈夫で丁寧に扱うと何年でも着ることができると言われています。
パー・キッド イサーン(東北タイ)のほかに中部・北部タイで織られている金や絹、金糸で織り上げられた布地です。座敷用敷布、シーツや枕カバーから毛布・ショールまで幅広い用途に使われています。
パー・ルアン 何色もの横糸を使いますが、色ごとに部分的な往復をくり返しながら模様を織っていきます。織りあがった様子はまるで水の流れのように見えることから、「パー・ナムライ(水流の意)」ともいいます。
パー・チック
パー・ヨック 南タイのナコーンシータンマラートに伝わり、華やかな模様が特徴です。
パー・プムリエン 南タイのスラートターニー県のチャイヤーには、絹と綿を組合せて織るマラヤ技法が伝わるが、手間と時間がかかるためオーダーメードだけとなり地方色が失われつつあるようです。
現代のアパレル事情
ASEAN諸国のなかで取り分け急速な経済発展を遂げたタイ王国ですから、アパレル産業にも国際的な発展の兆しが見えてきています。
1996年には"FLY NOW"所属デザイナーのチャムナン氏がロンドンコレクションLONDON FASHION WEEKにて、ブランド"FLY NOW BY CHAMNAN"を発表。アジアでは日本に継いでの参加国となりました。また、2000年9月にタイ国政府商務省輸出振興局(DEP) の援助を受け、タイ国ファッションメーカー10数社が集結したThe Thailand Fashion Brand Names Clubを結成して新素材の研究開発、マーケットの拡大に積極的に参画しています。
ファッションマーケットの拡大のカギを握るのはなんといってもブランドイメージ。タイ政府も積極的に後押しして“Bangkok International Fashion Fair”(来年で17回目となる)を開催。今後国際的なブランドとしての評価が確立されれば、タイのデザイナーたちが世界のトップモードの最前線に躍り出る可能性も秘めていますね。
●タイを代表するファッションデザイナーブランド

ファッションデザイナー・ブランド

プレビュー

Web Site
NAGARA for Jim Thompson

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Kai Boutique

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MODEL

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Sha-i

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Rico-A Mona

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Baimon

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日本でも、日本およびアジアのファッション界の新進デザイナーに作品発表の場を提供する“アジアコレクション”が1994年から開催され、それぞれの国の伝統と文化に根ざした清新の作品が発表されています。
また、2000年4月に茨城県水戸市の水戸芸術館で、3人のタイ出身若手デザイナーが従来のタイシルクのイメージを一新する斬新なデザインを発表し大きな話題を集めた“タイシルク・スルー・ザ・ミレニアムfrom Thailand”も開催されています。
●タイのモデルエージェンシー
JWE MODELSHOP BKK Phoenix models REDMODELLING
Inmodel2001 Fash Models Management Chic Models Bangkok
MODEL STORY J.I.M.MODELING Mode Management Co., Ltd.
IZ Representation

■アジアコレクション
Asia-Collection
アジアコレクション2001「幕張大賞」
■タイシルク・スルー・ザ・ミレニアムfrom Thailand
水戸芸術館
■アジアンファッション
オーバーブラウス
(レディス7分袖)

チェリー

ベージュ

グリーン
アジアン巻き
チュニック

ジャケット

ロングスカート
タイファッション関連サイト
■Bangkok International Fashion Fair
Thaitradefair
■Thai Brands & Fashion Designer Site
■FLY NOW
■The Thailand Fashion Brand Names Club
■Other
ELLE Thailand