“Ban Chiang(バーン・チェン)”出土の土器
現在のタイ地域の先史美術(文字のない先史時代の文化)として最も注目されているのは、タイ北東部のバーン・チェン村一帯で発掘されている土器です。今から約4,000年〜7,500年前に世界最古の青銅器文明がで繁栄していたという説もありますが、その年代測定には議論があり今なお謎です。そのバーン・チェンには大きく3つの時代の遺跡が重なっていて、土器の様式から下記の3期に大別されています。
前期=黒色刻文土器
中期=白色彩色刻文土器
後期=バーン・チェン彩文土器(クリーム色のスリップ地に赤の渦巻文の描かれたもの)

青銅器前期から、鉄器は中期から出現し、中期と後期に刻文式から彩文式に移り変わっています。多様で大胆ともいえる様式がタイ東北部に紀元前からあったということが、世界中の学会に大きな驚きを与えたことはいうまでもありません。
黒色刻文土器

白色彩文土器

バーン・チェン彩文土器