タイ地域の先史美術
 タイ地域で先史美術の発掘される、南西のバンカオ遺跡、南東のコック・パノム・ディー遺跡、北東のバーン・チェン遺跡。紀元前4世紀頃には文様のなかった粗雑な土器が、紀元前2世紀頃になると多彩な形で文様が現れてきます。これらの文様は、当初単に棒の先や櫛、貝殻の縁などで点や線を描いたものから、赤い色で渦巻き上に彩色されたものへと変化していきます。この赤色で渦巻き上に彩色された彩文土器が最も多く発掘されるのがバーン・チェン遺跡ですが、遺体を覆い尽くすような状態で発掘されることや、彩色後に焼成されていないことから色が落ちやすいことで、実用のものではなく祭礼のためにつくられたものではないかといわれています。
 タイ地域の先史時代にも興味深い独創的な形と彩色模様をみることができますが、インドの影響が表われる時期はおよそ3〜6世紀で、マラヤ半島およびチャオプラヤ川南西流域が中心でした。これより後の時代においてようやく初期の美術諸派が明確な形としてあらわれてきます。
●バーン・チェン出土の土器
2つに区分されるタイの美術様式
 タイの美術史は大きく2の時代に区分され、紀元後数世紀のインドの影響を受けた初期から13世紀後半のインドシナ中央部地方にタイ人の王国が誕生するまでを先タイ期、そのあとタイ人王国の誕生から今日までを純タイ期と称しています。
 13世紀後半から登場してくるタイ民族の諸美術様式は、本質的に上座部仏教を基盤としています。その後様々の美術様式との攪拌混淆の時代と生々発展の時代を経て、いわゆる独自のタイ美術が生み出されていくことになります。
先タイ期の美術様式 ドヴァーラヴァティ美術様式(7〜11世紀)
シュリヴィジャヤ美術様式(8〜13世紀)
ロッブーリ美術様式(7〜14世紀)
ロッブーリ美術様式(7〜14世紀)
純タイ期の美術様式 スコータイ美術様式(13世紀末〜15世紀)
アユタヤ美術様式(14〜18世紀)
バンコク美術様式(18世紀末〜20世紀初め)
タイの文化遺産(世界文化遺産)
タイの「バーン・チェン遺跡」、古都「スコータイ」、古都「アユタヤ」は、世界文化遺産に指定されています。
美術館・博物館・現代美術館
タイの美術館・博物館の現代美術関係のサイト(英語・タイ語)です。
Thailand Province Wat Muang Folk Museum
Thailand Museum Art-centre Silpakorn University
Phimai National Museum Rama IX Art Museum
Somdet Phra Narai National Museum Sri Thep Historic Park
Chiang Saen National Museum
もっと知りたい方は タイの文化遺産  
タイ国美術 
タイ国の美術-タイの美術